古参ファンが厄介ファン化してしまうのは、アイドルが 新規 ファンを増やすことに集中するあまり古参ファンをおろそかにしてしまうためです。より人気者になるには新規ファンに注力し増やさないといけません。でも古参ファンをおろそかにすると厄介ファン化したり他界してしまう。アイドルって忙しすぎると思います。
そこで新規ファン1人1人に注力してファンを増やしていくよりも、古参の力を使って新規ファンを増やした方が効率的です。
新規ファンを増やすためには古参ファンを大切にしましょう。古参ファンを自分に協力的なファンにし、自分の手足となってもらうのです。(お互いにメリットがある関係の中で。)
見出しだよ
古参ファンの力を借りて 新規 ファンを増やす
今回はアイドルについて調べていて見つけた、この論文をかみ砕いて説明していきます。 J-STAGE:事務所経営に好影響を及ぼすアイドルとファンの理想的な関係
マーケティングの手法に、リレーションシップ・マーケティング(RM)というものがあります。
リレーションシップ・マーケティングとは、顧客との間に「リレーションシップ」とよばれる好ましい関係を構築することによって、長期思考的で友好的な交換関係を実現しようとするものである。参考1
リレーションシップ・マーケティングでは、売り手と買い手の間にリレーションシップ(関係性)という構成概念を仮定する。そしてリレーションシップの質を高めることによって、当該関係に対する顧客の長期思考性や協力性向を強化しようとする。
簡単に言うと、どんな商売でも顧客との信頼関係づくりが大切って話です。
この論文にはアイドル活動にもリレーションシップ(信頼関係)の原理を用いると良い影響があるよと書いています。
この論文を読んで私が思ったのは、アイドルはファンの中でも特に古参ファンを大切にするべきということ。今のアイドルは古参ファンをおろそかにしてしまいがちだと思いました。
たとえば生誕祭の時、古参ファンはいろいろ仕切ってくれてとても頼りになる存在だと思います。実はここにもリレーションシップ・マーケティングの関係が成立しています。
古参ファンがなぜ生誕祭に協力的かというと、もちろん生誕祭を仕切ることがアイドルに自分を見てもらうことに繋がるからでもありますが、アイドルにお返ししたい気持ちの表れなんですね。それだけ古参ファンはアイドルからたくさんのものをもらってきました。
たくさんもらったファンはその分、アイドルにお返ししなければならないという気持ちになります。
たとえば小さいころ友達の家に遊びに行くときに、お母さんがお菓子をもたせてくれました。いま思うとそれって、お菓子を”もたせざるを得なかった”と思うんですね。親としては自分の子供といつも仲良くしてもらっている、すでに与えられている側なので、なにかお返しをしなくてはならない気持ちだったんじゃないかなって。
つまり何が言いたいかというと、布教活動をしてくれるくらい協力的で、信頼関係の深いファンを増やすことによって、アイドル活動を有利にしようということです。
そして注力すべきは新規ファンじゃなくて、古参ファンなんですね。なぜなら今まで与えたサービスを考えると、リターンしてくれる可能性は古参ファンの方が高いから。
「古参ファンに近寄りすぎると厄介ファン化してしまうのでは?」
と思いますが、実は逆です。
古参ファンとアイドルの距離はもともと近いので、新規ファンが増えると古参ファンとアイドルの距離がどんどん遠ざかってしまうから、今までと同じ熱量をもらうために古参ファンのアピールが過激化するんです。
つまり問題は、ファンが増えるごとにアイドルがファンにgiveできる熱量、サービスが低下してしまうことにあります。
だからファンが増えても、ファンに与えられる熱量を維持する方法を考えることがいちばん大切です。
これは後ほど説明します。
その前に厄介ファンが生まれてしまう原因をもう少し詳しく説明しておきます。
新規 ファンと古参ファンの対立のわけ
アイドルがファンを増やしていく上で障害になってくるのが、新規ファンと古参ファンの対立です。
新規ファン古参ファンともに、アイドルに振り向いて欲しいという目的は変わりませんが、応援し始めた時期の違いから対立が起きてしまいます。
古参ファンの悩み・・・ファンの増加による自己肯定感の低下

→古参がはじめアイドルから受け取っていた熱量、サービスは高いです。(図の左部分)ファンが増えるとその分、アイドルから受け取れる熱量、サービスは低下してしまいます。(図の右部分)
古参のファンがアイドルから今までと同じ熱量を受け取るには、自己アピールを大きくしなければなりません(昔の4倍頑張らないと振り向いてもらえない)。
→自分がアイドルと遠ざかってしまった原因である新規を恨み、厄介オタク化、もしくは他界してしまう可能性があります。
新規ファンの悩み・・・新しい現場に入り、周りになじめるかどうか不安

→新規の場合、好きになったアイドルはすでにある程度人気です。なので新規ファンがアイドルからもらう熱量ははじめから少ないです。
新規ファンは初めて入る場所への不安を感じています。できるだけはやく周囲に馴染みたいので、特に現場でのルールを重んじます。しかしなぜ古参の自己アピールだけ大きいのか不満です。
→古参を恨み、現場に馴染めなくなってしまいます。
古参ファンと新規ファンの対立をなくすにはお互いの知識を共有し合う
そこで、考えたのは古参ファンが新規ファンに知識を共有することです。

知識を共有することで、古参ファンは自己肯定感、新規ファンは”周囲に馴染めた安心感”を感じることができます。
しかし、デメリットとしては古参ファンのモチベーションの維持が難しいこと、新規ファンが古参ファンのマウントを受け入れられない可能性があることです。
→つまりファン同士で解決し合うのは現実的には難しい。
そこでスムーズにファンを増やしていくためには、アイドルが新規ファンと古参ファンを仲介してあげます。
古参ファンと新規ファンに共通する考えは「そのアイドルが大好き」ということです。
アイドルが新規ファンと古参ファンの間を取り持つ
アイドルが、新規ファンと古参ファンがお互いに仲良くすることに、メリットを作ってあげます。
たとえば、
- 新規ファンを紹介した古参ファンには特典を与える
- 古参ファンと仲良くし、一定期間現場に通った新規ファンには特典を与える
というのはどうでしょうか?

古参ファンと新規ファンはアイドルから特典がもらえて嬉しいです。
そしてアイドルにとっては古参ファンは他界せず、新規ファンが現場に定着して嬉しい。
お互いが嬉しいリレーションシップの関係です。
ここで注意しないといけないのは、特典の内容がしっかりしていないと古参は「利用されていただけ」と感じてしまいますから、特典はちゃんとした内容のものを考えなければいけません。
新規ファン、古参ファンともに喜べて、不公平さを感じないような特典を考えましょう。
特典の例・・・ファン歴ごとのエピソード動画
特典の例として考えたのは、ファンの歴ごとにその時代のエピソードを動画で紹介してあげることです。
この特典のメリットは以下の通りです。
- 接触に比べて負担が少ない
- 新規ファン古参ファンともに嬉しい
- 特典が公平
- ファン離れを防ぐ
ファン歴をある程度に区切って分類します。最古参から古参。古参から中堅。中堅から新規。
古参ファンには結成当時のエピソード秘話を、〇〇新規ファンには〇〇CDを発売した時のエピソード動画をプレゼントします。そして古参ファン、新規ファンは互いのエピソード動画を見ることはできません。
すると古参ファンは古参ファンであることの特別感、新規ファンは新規ファンであることの特別感をこの特典から感じることができます。
ファンはアイドルと思い出を共有できることが一番嬉しいんですね。
アイドルが過去のことを覚えていてくれたら、ファンは自分がアイドルに捧げてきた時間は無駄じゃなかったんだって思えます。これからも協力しようって。
そしてもう一つ、この作戦には新規ファンと古参ファンがさらに仲良くなるための秘策があります。
古参ファンには古参ファンにしか知らないエピソード、新規ファンには新規ファンにしか知らないエピソードができます。お互いがお互いのことを知るきっかけができて、ファン同士に良好な関係性を続けていく意味が生まれます。
つまり新規ファンを中堅ファンに、中堅ファンをより協力的な古参ファンに進化させることができるのです。そしてまた古参ファンは新規ファンを連れてくる。アイドルが手を下さずにファンが増えていきます。
以上の特典をいつものアイドル活動にプラスしてあげることで、古参ファンの布教活動を促進することができると考えました。
1番大切なのは、
ファンがアイドルを応援することのメリットをちゃんと感じていることです。
お互いにメリットがある関係性の中で、ファンを上手く利用するのは悪いことではありません。一方的に奪ってしまうのが悪いことです。
それでもたぶん手が回らなくなる時が来る
リレーションシップ(信頼関係)の考えを導入することで、労力を減らしつつ効率よくファンを増やしていく可能性が見えてきました。
しかしそれでもファンが増えていくと、いつか必ず手が回らなくなってしまうことがあると思います。
これはどうしようもないことです。
でもいちファンの私が思うことは、ファンはアイドルの頑張りを必ず見ているということです。
もちろんアイドル活動が大変に忙しいことだとは感じています。でもファンは少し寂しいなと思ってしまっただけで、たまにこちらを見てくれたらまた応援しようって思えます。
また良い方法があったらお伝えしますね。
りょうすか@アイドルオタクブロガーさん (@ryousuka_) / Twitter
オタクの素直な気持ち、アイドルについての考察を発信しています。